やどりき水源林ニュース 第31号

2005年12月

秋から冬へ 季節の変り目の水源林

今年の秋は温暖な日が続いたせいか、各地で紅葉が遅れているようです。
12月に入り神奈川の各地で紅葉の見頃となっていますが、標高400〜500mのここやどりき水源林では、色付いた葉もそろそろ色あせ始めています。

それでもまだ秋の表情を色濃く残している林内を歩くと、秋から冬へ自然の営みを見ることが出来ました。
12月4日の記録です。


すっかり葉を落とした林道を歩く。静かな林内を、落ち葉を踏みしめながら歩くと、サクサクと心地よい響きがついてくる。

昼頃降り出した雨は、みぞれに変わり、管理棟の外に出るとひとしお寒さが身にしみる。ファインダー越しに見た今シーズン最初の雪模様。

秋から冬へのこの時期、紅葉や冬芽などの定番に加え、ここでは変わり者の植物のおかげで、四季の表情を一度に見ることが出来ます。

【春の表情】
水源林の入り口にあるジュウガツザクラは今が満開。この下にいると季節を間違えそうです。

【夏の表情】
オニシバリは夏落葉し秋に葉を伸ばし、そして今は夏の盛りのような青々した葉をつけています。

【秋の表情】
紅葉といえばモミジ。一部色あせてきましたが、まだまだ遅い秋の主役です。

【冬の表情】
寒さに備え、厚い皮で覆われたホオノキの冬芽はまだ少し小さめです。

水源林内を巡っていると、季節の移り変わりの中で、自然のたゆまない営みを見ることが出来ます。

夏の頃に比べると水量は少なくなりましたが、滝郷の滝からは水が途絶えることなく流れ落ちています。

赤い実をつけたミヤマシキミの雌株

つぼみをつけたミヤマシキミの雄株

根元に花をつけたカンアオイ

コクサギの実から種がはじけそう