やどりき水源林ニュース 第9号

2004年2月

やどりき水源林、流域一帯を見る


 2003年10月から04年の2月にかけて、やどりき水源林の流域を追ってみました。やどりきの水系は、鍋割山を最高峰として、西に檜岳(ひのきだっか)から伊勢沢の頭からシタンゴ山に至る尾根と南に後沢乗越しを経て宇津茂へ至る尾根に挟まれた範囲です。水系は、寄(やどりき)沢から中津川へと名前を変え、国道246号線に至る付近で四十八瀬川と合流、川音川と再び名前を変え、松田町で酒匂川と合流、そのまま海へ注ぐ川です。途中、ダムはありません。そして、小田原に近い河口付近の飯泉(いいずみ)取水堰で水を取り入れ、水道水として横浜市の一部、横須賀市の一部、など県内各地に供給しています。 

青い沢の線は、まるで樹木の枝のように見えます。

やどりき沢の水源近くになってくると、沢も様子が一変します。(左上) 
雨山峠付近の森林はブナやミズナラの自然林で覆われています。(右上) 
人工林だけの単調な森林と思わるやどりき水源林一帯は、多様な森林であることがわかります。
やどりき水源林散策路Bコースには、新たな沢が登場しつつあります。
左は、散策路奥にある崩壊地、これが、やがて沢に成長します。
写真右は、巨木林モデル地区の崩壊地を昨年いち早く砂防工事を行ったものです


やどりきの本流は、豊かな流れを見せて、水源の香りそのままの様相です。沢は、その場所場所で様々な顔を見せていることがわかります。やがて、下流へと導かれ、色々な顔に変化していきます。


稲郷付近。まだやどりき沢。

この付近で中津川になる。

川音川から酒匂川へ。上は、東名高速道路。

流域には、やどりきの水を利用して古くから人々の生活がありました。
寄(やどりき)神社(左上)は、その歴史を物語るものです。樹齢550年の大杉(右上)は、見回り5.8m。

左の大銀杏は、樹齢700年、見回り6.25mあります。




今月の十月桜  
2月11日、二分咲き。日当たりのよい枝先は、よく開花していました。来月は、どんな様子でしょうか。そろそろ春植物も花を咲かせる時期になります。

やどりき水源林 定例観察会のお知らせ

毎週日曜日午後1時から約1時間の水源林をご案内する観察会をかながわ森林インストラクター<森の案内人>で行っております。
参加希望の方は1時までに水源林ゲート前にご集合ください。費用負担等はございません。